2024年8月18日
毎日一生懸命、時間をかけて歯磨きしているのに、繰り返し虫歯が発生して悩んでいる方がいる一方で、1日1回の歯磨きでお口の健康が保たれる人もいるのが現実です。
虫歯のなりやすさは人によって大きく異なります。
その原因は、歯質や体質にあります。
1日1回の歯磨きだけで虫歯予防が行える人は、もともと歯質が強いと考えられます。
虫歯菌が出す酸に対して強い抵抗力があるエナメル質を持っていれば、虫歯が発生しにくくなります。
逆に、弱いエナメル質の場合は、毎食後丁寧な歯磨きを行っていても虫歯が発生してしまいます。
虫歯の発生が多い人は、歯質を強くすることで虫歯に対抗することができます。
虫歯になりにくい人に共通する体質もあります。
それは「唾液の分泌量が多い」という体質です。
唾液には、抗菌作用・殺菌作用・自浄作用・緩衝作用など、虫歯の発生を抑制する成分がたくさん含まれています。
そのため、唾液の分泌が多い人は体質的に虫歯になりにくいといえるのです。
逆に唾液の分泌量が少ない人は虫歯になりやすいのです。
人間は加齢とともに唾液の分泌量が低下する傾向にあります。
実際に、高齢の患者さんの診察では特に上顎に多くの虫歯がみられます。
そんな方のお悩みを聞いていると、口が乾く・唇が前歯に引っかかる・舌が乾燥でひび割れているなどの共通点があります。
口が乾きやすいと感じる方は、虫歯になりやすいので注意が必要です。
人間はいつから虫歯になるのでしょう?
生まれたばかりの赤ちゃんの口内は無菌状態が保たれています。
成長する過程で様々なものを口に入れ、菌が増加していきます。
虫歯菌に感染する一番の原因とされているのが、赤ちゃんへのキス・食べ物の口移しや食器の共有です。
口移しでご飯をあげる人は中々いないと思いますが、特に無意識にやってしまいがちなのは「同じ箸で食べさせる」「コップを共有する」「ペットボトルを飲みまわす」の3つです。
お子さんが複数いる場合、荷物を増やしたくなくて飲物を共有させてしまう事も原因となります。
赤ちゃんと一緒にいる時間の長いお母さんの口内に虫歯があると、子どもの虫歯発生率が高いというデータもあります。
これは専門的には垂直感染と呼ばれ、1歳半~2歳の間に最も起こりやすく、この時期の観戦を免れるとその後も虫歯発症のリスクが大きく低下すると言われています。
虫歯になりにくい人の条件はこの3つが考えられます。
このように、虫歯は歯質や体質によって虫歯の発生率が異なります。
既に虫歯で悩んでいる方は、虫歯の治療・歯質を強くするケア・唾液分泌の促進・口内環境のコントロールを併せて行っていくことが大切です。
赤ちゃんが生まれる、生まれたばかりの親御さんは、赤ちゃんを虫歯菌に感染させない努力・ご自身の虫歯治療・ご自身の口内環境のコントロールが重要です。
このように、歯を磨かなくても虫歯にならない人がいてもおかしくありません。
しかし、虫歯にならないからと言って「歯周病」にならないということはないので注意が必要です。
大切なのは、自分の歯質や体質を知り、適切なオーラルケアを継続することです。