2023年11月5日
毎日使用する入れ歯に痛みが発生すると、食事が苦痛に感じてしまいます。
入れ歯の悩みでよくお聞きするのはこのようなものです。
入れ歯の調整では、単純に入れ歯の当たって痛いところを削れば治るというものではなく、痛みが出る原因を探り当てて解決しない限り改善しません。
また原因は一つとは限りません。
総入れ歯で最も多く聞く悩みは「入れ歯が外れる」です。
よく外れる入れ歯は痛みが出やすい入れ歯です。
お口を開けて外れた入れ歯が、再度噛んだ時に歯ぐきに強い力で打ち付けられます。
繰り返し起こることで痛みが発生し、入れ歯が横滑りすると擦り傷が出来てしまいます。
食事中には入れ歯と歯ぐきの間に食べ物が挟まりやすくなります。
下あごは顎の関節を支点に前後左右上下と色んな方向に動きます。
咬み合わせる時は垂直の力だけでなく横揺れの力もかかります。
咬み合わせは顎の関節によって安定しますが、患者さんによっては顎の関節が緩んでしまっていたり、逆に癒着してしまっていたり、また顎関節症など問題を抱えている場合もあります。
特に、合っていない入れ歯、古い入れ歯を長期間無理に使い、顎の関節に負荷が蓄積していることがあります。
その場合は動作が安定せず、下顎が前後左右にぶれてしまいます。
下顎がぶれた時、出来るだけ均等に歯が接触するように入れ歯の設計・調整を行う必要があり、この調整をしっかり行えることが歯科医師・歯科技工士の腕の見せ所です。
しかし、義歯に自然歯と全く同じ仕様感を求めることはできません。
自然歯と同様な使用感を求め、食べ物や生活の制約をしたくない方には、保険の義歯はお勧めしません。
ご自身に合った義歯、治療法を選んでいただくため、ご来院の際にご要望をお聞かせください。