2023年10月8日
今、鏡の前に立って舌を見てみてください。
あなたの舌の色は何色ですか?
舌の色や状態は、目で見て分かる健康のバロメーターです。
舌苔とは、舌の表面に付着する白い苔状こけじょうのものです。
舌には糸状乳頭と呼ばれる凹凸があり、そこに古くなって剥がれ落ちた粘膜や細菌、食べカスなどが蓄積して、白く見える舌苔が形成されます。
薄い舌苔があるのは正常ですが、舌苔が厚くなると菌の温床となり、口臭の原因や口腔内に悪影響を及ぼす可能性があります。
舌に付く灰白色または黄白色の汚れは、舌苔と呼ばれる細菌のかたまりです。
舌の表面には舌乳頭(ぜつにゅうとう)という細かい突起がたくさんあり、この中に食べかすや口の中ではがれた粘膜がたまり、細菌のすみ家になっています。
舌苔のつき方は人によって様々です。
舌の一部だけにつく人、舌全体に広がってつく人、奥の方だけに厚くつく人など、舌苔の付着する範囲や量は人によって異なります。
また、同じ人でもその時の体調などによって、舌苔が多くつく時と、あまりつかない時があるようです。
健康な人でも、口の中の清掃を怠ると舌苔が多く着きます。
また、口の乾燥は細菌の増殖を促進するため、舌苔が増えやすくなります。
舌苔が増えやすい環境は、むし歯や歯周病にも影響があるため注意が必要です。
舌苔は抗生物質の長期服用後や全身疾患の部分症状として見られることもあります。
通常、舌の汚れは食べたり話したりするときに舌が動くことで除去されます。
しかし、寝たきりで経口摂取や会話ができない場合や、気管挿管中(きかんそうかんちゅう)や経鼻、経管栄養などで経口摂取ができないような場合には、舌への摩擦が少なくなり、舌苔が除去されにくい状態になります。
唾液には、食渣や歯垢を洗い流す自浄作用や、口腔内の菌の増殖を抑える働きがあります。
絶食、疾患、薬の副作用、脱水、ストレス、加齢などが原因で唾液自体の量が減少すると、口腔内に舌苔の原因となる因子が増え、舌苔が厚くなることがあります。
口腔を清潔に保たなければ、口腔の菌や口腔粘膜のカスが舌にたまってしまうことがあります。
1日3回の歯磨きに加え、舌磨きを行うことが理想です。
舌の上には口臭の原因となる細菌も多く存在するため、舌苔がたまると口臭の原因となります。
また、むし歯や歯周病菌の栄養となってしまいます。
そのため 口臭が気になる人、むし歯や歯周病を予防したい人は舌苔を取り除くことをおすすめします。
ただし、舌は傷つきやすいため、過度なケアは逆効果となります。
1日1回にとどめましょう。
就寝中に細菌が増殖し舌苔が増えるため、朝のケアがオススメです。
ライオンの調査では、口臭が気になると答えた方でも約6割の人は舌の掃除をしていないという結果が出ています。
舌苔はうがいだけでは取れません。
口臭が気になる人は、正しい方法で舌苔を除去することが大切です。
舌を傷つけず、効率よく舌苔を取り除くには、舌ブラシ(または毛先の柔らかい歯ブラシ)を使用することが効果的です。
少しずつ横に移動して、奥から前方へ3回程度軽い力で優しく撫でるようにかき出します。
初めて行う場合は、1ヵ所につき2~3回程度にしましょう。
無理して1回で取り除こうとせず、日数をかけて少しずつ舌苔を取り除くようにしましょう。
すべて落ちきるまで力いっぱいブラシで清掃すると舌に傷がつき、そこから感染、口臭へとつながることがあります。
毛先の柔らかい歯ブラシや舌ブラシを使用する場合にも、力を加えすぎないよう注意してください