2023年8月28日
舌は味を感じるだけでなく、食物を飲み込む際、言葉を話す際にも重要な役割をしています。
舌は、筋肉でできており、筋肉を様々に動かすことで形や位置を自在に変えることができます。
人間の舌は非常に細かく動かすことができ、正確にコントロールすることが可能です。
人間が言語を扱えるようになった要因の一つです。
舌の表面には味覚を感じるセンサー「味蕾みらい」があります。
味蕾は味細胞の集まりで、甘味・苦味・塩味・酸味などを感じることができます。
これらの味が複雑に混じり合い、人は“おいしさ”を楽しむことができます。
味蕾は舌だけでなく、上あごや頬の内側にも分布していますが、その大部分は舌が占めているので、主に舌で味を感じることができます。
味蕾の数は乳幼児で約1万個、成人になるにつれて約7500個まで減少すると言われています。
味覚は、顔面神経と舌咽神経というのを通って脳に伝えられます。
食物が喉から食道・胃へ送り込まれること、飲み下すことを嚥下といいます。
舌は口の中にある食べ物を上手に食道に送り込む、重要な働きをしています。
また、効率的に奥歯で噛むために食べ物を運んだり、食べ物と唾液を混ぜ合わせたりするのも舌の役割です。
しかし舌の機能が低下すると、食べ物が上手に食べれなくなってしまいます。
これが咀嚼・嚥下機能障害です。
私たちが言葉を発するために舌の存在は欠かせません。
言葉を発するには、声帯から発せられる振動した空気を、口腔内で共鳴させて音にします。
このとき舌は柔軟に動き、共鳴する空間を形づくっています。
舌が上手に動かないと、言葉がうまく出せない、滑舌が悪くなってしまいます。
舌の存在は歯の並びにもかかわってきます。
歯を内側から支える舌が左右どちらかに偏っていたり、特定の歯を押す、常に上下の歯で舌を噛んでいるなどの癖(舌癖)があると歯並びが乱れてしまいます。
このように舌は、味わう・食べる・話すといった人が生活するうえで重要な器官です。
舌は全身の一部としては小さな器官ですが、複雑で様々な機能を持っており、歯だけでなく、全身にも大きな影響を与える器官です。
舌は自分でもチェックしやすいので、何か違和感や気になる点がありましたら、早めの受診をおすすめします。