2023年7月1日
誤嚥性肺炎には、胃内容物を嘔吐に伴い肺に誤って嚥下して生じる「化学的肺炎」と、口腔内細菌を無症状に誤嚥して生じる「細菌性肺炎」があります。
通常の肺や気管は、咳やむせによって異物が入らないように守ることができます。
しかし、摂食嚥下障害をもつ方や高齢になると、これらの機能が低下していることがあります。【嚥下障害とは】
また健常者であっても、睡眠中は口腔内の細菌が増加し、さらに嚥下反射・咳反射が低下することで唾液が気管に流れ、誤嚥性肺炎を起こすことがあります。
それらの結果、特に免疫力の衰えた高齢者では誤嚥性肺炎を発症してしまいます。
中でも脳血管障害の見られる高齢者に多くみられます。
超高齢社会と言われる近年、誤嚥性肺炎にかかる高齢者の方は増加傾向にあり、それにより肺炎で死亡する数も増加しています。
誤嚥性肺炎からは、歯周病の原因にもなる「歯周病原性細菌」が多く検出されるため、お口の中の歯周病菌が多い方、すなわち歯周病が進んでいる方は、誤嚥性肺炎になるリスクが高いと言えます。
逆にいえば、歯周病の改善により、誤嚥性肺炎の危険性を抑えることが出来ます。
誤嚥性肺炎の典型的な症状には
・発熱
・激しい咳
・膿性痰(のうせいたん=黄色いタン)が出る
・呼吸が苦しい
・肺雑音がある
があり、一般的な風邪の症状と似ているため、初期では気が付きにくいと言われております。