2022年11月25日
哺乳類の中で人間だけができることがあります。
それは「口呼吸」です。
チンパンジーは人間に近い哺乳類ですが、口呼吸はできません。
舌を出してハアハアしている犬も、それは体温調節のためで口呼吸はできません。
人間は高度な言語を操るため、喉の構造が変化し、鼻でも口でも呼吸ができるようになりました。
人間が発症する病気の7割は口呼吸が原因とも言われています。
日常生活で特に実感がなくても、口呼吸の習慣を続けることで呼吸器系疾患・アレルギー性疾患・皮膚疾患・自己免疫性疾患・精神性疾患など、特にご高齢の方は誤嚥性肺炎に罹るリスクが高くなると言われています。
口呼吸では冷たく乾いた異物だらけの空気が直接喉に入ります。
口の中は乾燥し、病原体が繁殖しやすい状態になります。
つまり、病原菌などの外敵に対して、非常に無防備な呼吸法なのです。
花粉症の方は、鼻が詰まって口呼吸になり、喉が痒くなる経験があると思います。
それは、乾いた空気と共に花粉やほこりがダイレクトに喉に入り、刺激を与えているためです。
また口呼吸はむし歯や口臭の原因にもなります。
口呼吸によって口の中は乾燥し、唾液の分泌が減少します。
唾液には口の中を潤して殺菌し、歯を修復する作用があるので、唾液の分泌が減るとむし歯になりやすく、口臭の原因にもなるのです。
さらに、口呼吸では取り込める酸素量が少なく、疲労の回復速度が遅くなると言われています。
特に起床時に以下の経験がある人は、睡眠時に正常な鼻呼吸ができていないと考えられます。
外敵に対し無防備な口呼吸に比べ、鼻呼吸にはこのような特徴があります。
鼻の入口にある鼻毛は天然のフィルターとも言われ、外から侵入しようとす
る花粉やホコリなどをブロックします。
鼻腔粘膜では、線毛の上皮細胞と粘液の分泌によってウイルスや細菌などのさらに小さな異物を絡め取ります。
空気は鼻腔の中を通過する際に適切な温度と湿度に調整されるので、肺の負担を軽減し肺の中でスムーズに循環されます。
冬の寒い日、口で大きく息を吸うと肺に冷たい空気が入り苦しくなった経験はありますか?
そんな時は鼻呼吸で少し楽になりますよ!
このように、鼻では空気清浄・温度調整・加湿が行われ、鼻から入る空気は、口から入る空気よりも感染症に罹るリスクが少ないと言われています。
しかし、「意識してみたけど、気がづくと口呼吸に戻っている。」そんな人が多いのではないでしょうか。
では、なぜ口呼吸になってしまうのでしょう。
考えられる原因は様々です。
これら以外にも多くの原因が存在し、複数が絡み合って影響しています。
口呼吸をしている人のほとんどが無自覚です。
健康のために鼻呼吸を習得する第一歩は、常に意識して口を閉じ、日頃から鼻呼吸することを心がけること。
そのためには、鼻呼吸テープ(口テープ)で唇を閉じ、正しい舌と歯の位置を脳に記憶させる方法が非常に効果的です。
一般的に睡眠時に使用するイメージが強いものですが、脳に正しい状態を記憶させるには、睡眠時より昼間の作業中に口テープを使うのが効果的です。
また、口テープは補助的に用い、自分で口唇を閉じ歯が軽く接触させることを意識的に行う必要があります。
市販のものは粘着力が強すぎたり、短すぎて寝ている間に取れてしまう事が多くあります。
当院でも取り扱いがありますので、お気軽にご相談ください。
さらに、病気やむし歯以外にも口呼吸によって引き起こされる問題があります。
それは噛み合わせや歯並びの不具合です。
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