2022年10月28日
歯並びが悪くなる原因は何か、ご存知ですか?
昔から「親の歯並びが悪いと子どもの歯並びも悪くなる」と言われてきました。
つまり歯並びが悪い原因は親からの「遺伝」という事ですね。
遺伝によって歯並びが悪くなることは間違いではありません。
しかし最近では、「遺伝」よりも他の原因の方が歯並びに大きな影響を与えていることが明らかになっています。
「親の歯並びが悪いから子どもの歯並びが悪いのはしょうがない」と諦める必要はないのです。
では、その歯並びが悪くなる原因とは何でしょう。
大きく分けると、次の3つになります。
①遺伝
②むし歯などの異常
③生活習慣
遺伝といっても、子どもの歯並びが両親と一緒になるというわけではありません!!
現代人は古代人に比べ頭部の骨の形や大きさが変わっています。
文明の発達によって食生活が変わり、柔らかい食べ物が増えたことで顎の骨が小さくなりました。
歯の数が同じで顎の骨が小さくなると歯が収まるスペースが足りず、正しい位置に歯が生えられずガタガタな歯並びになります。
また、顎にスペースがなくなってきたことをDNAが学習し、大人の歯(永久歯)を減らそうとしたため、生まれつき永久歯が足りない子どもが増えてきました。
永久歯の種である歯胚はお母さんのおなかの中にいる間に作られ始めます。
胎内で作られるのは1,2,3,6番の歯胚、生まれる頃には4番の歯胚が作られ始めます。
なので、この1,2,3,4,6番については、生まれた時に有り無しが既に決まっているのです。
2007~2008年に行われた調査(注)によると、男子が9.13%、女子が10.98%と約10人に1人の確率で生まれつき永久歯が無い「先天欠如」が確認されました。
上下左右の歯並びとも中央から2番目・5番目の永久歯の先天欠如が多いとされています。
注:一般社団法人 日本小児歯科学会が全国規模で実施した「永久歯先天欠如の発生頻度に関する調査研究」より
永久歯に生え代われない歯は、大人になっても子どもの歯「乳歯」のままです。
大人になって乳歯が残ると以下のような問題が起こります。
乳歯が残っている場合は、通常よりもむし歯や歯周病にならないよう注意し、特別硬い食べ物を避ける必要があります。