2022年10月12日
歯の色を白くする「ホワイトニング」を行う人は年々増加しています。
白い歯は清潔感・明るい印象を相手に与え、自分も自信をもって歯を見せた笑顔が出来るというメリットがあります。
歯の表面にホワイトニング剤を塗って歯に浸透させ、化学反応によって歯の中の色素を分解することで歯が白くなります。
ホワイトニングには様々なメーカーや方法がありますが、大きく分けて2つの種類があります。
歯科医院やホワイトニングサロンで行う方法です。
その日のうちに効果を実感でき、より白くすることが可能ですが、高い効果を短時間で得るために薬剤の濃度が高く知覚過敏のリスクが高くなります。
効果の持続に関しては個人差がありますが、時間をかけて白くするホームホワイトニングの方が長持ちするとされています。
また、1回の費用が大きくなる傾向にあり、白い歯を維持していくために継続して利用すると費用の負担が大きくなる場合があります。
その為、オフィスホワイトニングを選択する際には、費用のほかにも使用している薬剤の特徴から歯医者やサロンを選ぶことをお勧めします。
自宅でご自身で行う方法です。
自分のタイミング(仕事や家事をしながら、テレビをみながら)で行うことができ、色の変化を見ながら好みの色で止めることが出来ます。
効果を実感するまでに時間がかかりますが、当院では2~3週間で効果を実感される方が多いです。
マウスピースに薬剤のジェルを入れ装着し、そのまま時間が経過したら歯磨きとマウスピースの洗浄を行います。
自分ですべて行うため手間を心配される方が多くいらっしゃいますが、方法を理解してしまえば手間ではありません。
また、薬剤を入れる場所を自分で決められるので、1本の歯だけもう少し白さが欲しい時など自由に対応できます。
白さの持続はオフィスホワイトニングに比べて長いとされ、希望の白さになった後はたまに行う程度で長期間の維持が出来ます。
費用は初回のみ大きく(ホワイトニングキットの購入や歯の記録を取る)、その後は足りなくなった薬剤のみを必要に応じて購入するため、白さを維持していくためにかかる費用負担は軽い傾向にあります。
※ テトラサイクリン歯については後半で説明しております
・妊娠中および授乳中の方
妊娠中・授乳中の女性はホワイトニングを控えましょう。
妊婦や胎児へのホワイトニングが与える効果や影響の研究が十分ではなく、安全性が保障されていないからです。
・無カタラーゼ症の方
無カタラーゼ症の方はホワイトニングをすることはできません。
カタラーゼには、ホワイトニング剤の成分を分解する働きがあります。
ホワイトニングに使用されている成分は体内でも生成されている成分で、通常はカタラーゼにより即座に分解され無害になります。
カタラーゼがないということは、分解することが出来ない成分が体内へ残ることになります。
しかし、体内に長時間・高濃度で残ると組織に悪影響を与える可能性があるとされています。
ホワイトニングで白くなるのは天然の歯の部分です。
むし歯の治療で入れた詰め物やかぶせものの色を変えることはできません。
また、歯の裏から穴を開けて神経を取り蓋をしている歯は歯の内側にホワイトニング液を入れる必要があります。
その為、前歯など見えるところに治療の跡がある場合は、天然の歯をホワイトニングで白くし、その色に合わせて詰め物やかぶせ物をやり替えることをおすすめします。
ホワイトニングを行う理由は様々ですが、歯の色味に特定の異常がある場合にも有効な手段です。
ホワイトスポットの解決緩和
「ホワイトスポット」とは歯の一部にある白濁した斑点です。
子どものころに乳歯を強くぶつけた(ぶつけた部分の永久歯に白斑が発生)・虫歯による炎症などがあるとできるとされ、大人になってからでもむし歯菌などが原因の「強い酸」を放置しておくと、エナメル質が溶け出してホワイトスポットになることもあります。
このホワイトスポットの解決手段の1つにホワイトニングが挙げられます。
ただし、ホワイトニングでホワイトスポットがなくなる訳ではなく、ベースの歯の色が白くなることで、ホワイトスポットが目立つ原因となっていた「色の差」を軽減でき、目立たなくする事が出来ます。
テトラサイクリン歯の解決緩和
抗生物質「テトラサイクリン」により変色した歯をテトラサイクリン歯と呼びます。
エナメル質が形成される8歳までに多くのテトラサイクリン系の抗生物質を服用していると、歯の本来の色自体が黄色や青っぽいグレーなどの色に変化し、しま模様になってしまいます。
ホワイトニングではこの変色を改善することができますが、完全に無くすことは難しいとされています。
軽~中度の場合、解決策の1つとしてホワイトニングを利用することをお勧めできますが、重度の場合は他の方法を検討する必要があります。